欲望/ Blow Up

僕が青春を過ごした1990年代はリバイバル映画ブームで、60、70年代映画が再評価されていた時代だった。

部屋に古い映画のポスターを貼る、なんて時代のインテリアもあり、なかでもこの「欲望」のビジュアルはとても人気があった。

そんなことを思い出し、ふと見てみようと思った。

実際は知名度ほど皆に観られていない映画でもあると思う。


Trailer


スゥインギングロンドンの時代を背景に、売れっ子カメラマンが遭遇したミステリアスな数日間。


「映画との対話」

ミステリアスさとは、支離滅裂なのではなく、推理すれば隠された論理がちゃんとあることだと思う。

僕はラストの道化師の集団のパントマイムによるテニスがこの映画の肝であると思う。

主人公の関わった殺人事件は実体を証明できず、不安感を抱いた。この不安感をパントマイムという同じく実体のない行動に参加することによって、主人公の心の整理を行わせたのだと思う。

パントマイムのボールは殺人事件と同じ無実体な存在、そう解釈することが主人公にとって心の平安をもたらす解決だったと思う。


「おまけ」

この映画はとてもリラックスして観られた。
例えるなら、平日昼間に放送していたテレビ東京の映画を観ているような時間を過ごせた。

もし観るなら昼間の午後がおすすめ。

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