The Grand Complication Classic Watch by TENSHODO

天賞堂のグランドコンプリケーションクラシック。

グランドコンプリケーションは超高額かつメンテナンスも大変という複雑機構だが、それを1/100の値段で、クォーツムーヴメントで作ったという腕時計だ。

実機はとてもエレガントな印象を受けた。ミニッツリピーターの音色は嫌味がなく、38mmの白い文字盤はとてもクリーンにみえる。ただ、万人向けでないことも事実だ。クォーツである以上、機械式時計のような資産価値は期待できない。また、グランドコンプリケーションを実用として運用するため電池の消耗が激しく2年しか持たない。しかも複雑時計なので、電池交換は天賞堂に出すことが望ましい。これらがネガティヴになる人も少なくないだろう。

そもそも天賞堂は、高級宝飾品と鉄道模型とプラモ(最近やめた)という一見関係なさそうな品揃えだが、実は裕福な家庭にはその全てがあるといった、趣味性のある富裕層向けのお店である。同じく富裕層向けの和光(隣のビル)を意識していたはずだ。そこのオリジナル時計なので、前述のような変わった特徴は頷けるのだ。型(この場合は和光)を知った上での型破りとはこういうことを言うのだと思う。

この時計が似合うライフスタイルを持てるか、ちゃんと向き合うとなかなか重みのある時計だと思う。価格の敷居は低いものの、実際につける人を選ぶ時計なのかもしれない。



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